最近、法輪功のメンバーやウイグル族など、無実の罪で収監されている囚人に対し、強制的に行われている臓器摘出が、全能神教会の信者にも行われるようになった件に関する書籍が出版されました。
張瑞霞(チャン・ルイシア)さん(1961~2014年)
2018年7月23~26日、米国国務省の主催により、ワシントンで82カ国の外相が一堂に会する 宗教の自由を促進するための閣僚会議 が開催されました。その場で、法輪功 のメンバーとイスラム教徒の ウイグル族 の代表は、中国政府による悪名高き「強制的な臓器摘出」を非難しました。移植のために売買される臓器が、生存中の罪のない囚人から「収穫」されています。臓器を摘出し、販売するために殺害される囚人もいます。この残虐な行為は、中国への「臓器移植ツーリズム」市場を活気づけており、国連を含む国際組織に継続的に監視されています。
ベルギーのブリュッセルに本部を置く、非政府組織「国境なき人権」が今年、『拷問死:中国で行われている 全能神教会 への迫害』(原文英語)という本を出版しました。この本には、中国のキリスト教系 新興宗教団体 の全能神教会の信者で、拘禁されていた間、極めて疑わしい状況の中で死亡した21名について記録されています。
本書によると、「強制的な臓器摘出」が全能神教会信者の罪のない囚人にまで拡大されたことを指摘しています。張瑞霞(チャン・ルイシア)さん(1961~2014年)は、河南省柳州市で拷問により死亡しました。火葬される前に、彼女の遺体を見た家族は、「腹部が異様に凹み、その上に長い縫合跡があった」と証言しており、張さんの臓器が摘出された証拠と思われます。
李算算(リー・シュアンシュアン)さん(1966~2013年)は「心臓発作」のため、新彊ウイグル自治区 トルファン 市 の勝利 派出所 で勾留中に死亡したとされています。彼女の弟は「姉の遺体はあざだらけで、首から胃にかけて長い縫合跡があり、脳みそ、心臓、肝臓、肺を摘出してから縫い合わせてあった」と証言します。
張紅濤(チャン・ホンタオ)さん(1957~2012年)は2012年12月6日に、甘粛 省 成 県 小川 鎮 で逮捕されました。翌日、警察は張さんが“急性脳溢血”により死亡したと家族に伝えました。張さんの夫である董さんは、妻の頭蓋骨が開かれており、遺体にも疑わしい傷がいくつもあったと証言しています。警察は通常の遺体解剖によるものだとしながら、張さんの家族に遺体の引き取りを遠慮することを約束する代わりとして、10万元(約160万円)の補償金を支払いました。