河南省南陽市にある賛美派の家庭教会の責任者が政府公認の三自教会(三自愛国教会)に加入することを拒んだため、警察が集会場所に押し入り、閉鎖となった。
今年8月、河南省南陽市政府職員は賛美派の家庭教会の責任者に対し、3回に渡り、三自教会への加入を迫った。彼らは「加入しなければ集会場所を閉鎖する」とも脅したが、責任者はすべて拒絶した。
動画1:教会が閉鎖される前、信徒たちが集会をしている様子
8月31日、現地政府は20人あまりの暴漢を雇い、この集会拠点「復興堂」を襲撃し、礼拝場所を積極的に守ろうとした信徒に暴行を加えた。その後、多くの信徒が教会に駆け付けたため、暴漢たちは引き上げていった。
しかし政府は計画をあきらめなかった。9月5日午前4時、市の公安局、城市管理行政執法局の職員ら300人が20数台の車両に乗り、復興堂にやって来た。そして教会に通じるすべての道に警察を配置した。
動画2:早朝、政府職員が教会を襲撃
政府が雇った鍵屋が復興堂の玄関口の鍵を開け、別の者が教会のカメラを撤去し、電源を切断した。このため教会を警備していた17人の信徒が他の信徒に電話をして助けを求めようとしたが、電話はつながらず、携帯電話の電波も遮断されていた。
警察は教会に押し入り、信徒の携帯電話を没収し、抵抗した者はすべて逮捕すると脅した。信徒は脅されても警察に反論したため、逮捕され、村役場に閉じ込められた。
100人近くの警察は教会に残り、壁の絵画や十字架を撤去したり、教壇を壊したりした。また聖書など信仰に関係する書籍を没収した上、電子機器など金銭的価値のある物品を押収した。ある信徒が明かしたところでは、没収された物品の価値は合計10万元相当(約164万円)になるという。
現在、この教会の玄関口は政府職員により鍵が掛けられており、封印票が貼られている。信徒はこの教会がまもなく取り壊されるのではないかと心配している。
ある信徒は涙をこらえることができず、次のように言った。「私たちは教会への献金のため、節約して60万元を集めました。それで、やっとの思いで教会を建てたのに、今こうして政府に差し押さえられ、物品も持っていかれてしまいました。今後私たちはどこで集会をすればいいのでしょうか」。
江涛による報告