出典:The Globe and Mail
日付:2018年 7月 5日
カナダの日刊紙「The Globe and Mail」の報道によると、中国当局が「教育による改心」のための強制収容所の存在を否定して、外国からの視察を拒否しているため、中国における人権違反への懸念が高まっている。そのような収容所が多地域に建設され、批判者から人権への虐待的暴力を行うために使用されていることを示す証拠が多数報告されている。
この収容所に拘留されている人々の多くは、イスラム系ウィグル族とカザフ族で、「過激な傾向」撲滅キャンペーンの一環により、「誤った考え方」をしている罪で批判されている。Bitter Winterでは以前にも、イスラム系ウィグル族の迫害と新疆の「教育による改心」のための強制収容所の増加について報道した。
The Globe and Mailは、収容所の元拘留者数人にインタビューしている。軍事刑務所に似た環境で武装警備員が配置され、厳重なセキュリティのもと、多数の人々の思想改造が徹底的に試みられている様子を語った。カメラが、トイレも含め、すべての動きを捉えているのだ。未知の医薬品を受け取ったり自殺を試みたりした拘留者もいる。
「偉大なる習近平!偉大なる共産党!私は習近平国家主席と共産党だけが、私を救えることを理解していないので、処罰に値します」。これは、この前の秋に収容所にいたウィグル族の女性が、定期的に無理やり何度も言わされた言葉である。彼女は自分が売国奴で分離主義者でテロリストだと何度も大声で言わされたのだ。
インタビューを受けた研究者の1人によると、政治イデオロギーで日常の言葉が変化している。将来の話をするとき、今や多くのウィグル族が「神の思し召しのままに(インシャラー)」という代わりに、こう言うのだ、「党の思し召しのままに」と。
新疆の再教育は、様々な環境と収容所で行われている。全日制もしくは夜間の学校であるため公式な色合いが薄いところもあれば、監獄に似て高い壁がある総合施設が無制限に増加しているところもある。当局が「職業訓練センター」や「教育による改心」と呼ぶこれらの施設を、学者は「強制的な隔絶による解毒」と呼んでいる。
新疆では、当局が「同じクラスで新しい思想を勉強する1000万人の先生と学生」という旗印のもと、6月上旬に習近平の思想を講義するキャンペーンを始めた。これについて、この地域全域の大学で指導が行われ、講義はテレビやオンライン・ストリーミングでも放送される。