出典: 中国からの直接の報道
日付: 2018年7月8日
5月17日、日本と韓国の宣教師が中国から本国に送還され、今後5年間中国への入国を禁止されました。送還前、宣教師らは15日間勾留されていました。
2018年5月2日の夜、山西省大同市の公安局の警察が、韓国国籍の宣教師である王月(ワン・ユエ)さんとその夫の自宅に押し入り、夫妻を逮捕しました。その後、警察は夫妻の電話から、カイデシジア小区に滞在中の日本国籍の宣教師琳娜(リン・ナ)さんとその夫を逮捕しました。韓国国籍の夫妻は、中国共産党の警察から、しばらくの間監視および尾行され、電話が盗聴されていたことを、後で知りました。警察は両夫妻を15日間勾留しました。
夫妻が属していた教会の信者の情報によると、両夫妻は自ら志願して中国での布教に加わったとのことでした。いずれの夫妻も質素な暮らしぶりで、教会のブラザー、シスターから愛されており、福音の布教という使命に、断固とした決意を持っていました。これらの宣教師が強制送還となり、中国共産党により「公共の秩序を乱した者」とレッテルを貼られたことは、地元のキリスト教信者を極めて動揺させました。ある信者は、強制送還される外国人宣教師は増加しており、海外の教会と国内の教会のつながりが断ち切られてきていると指摘します。習近平が主席となって以来、中国当局による「キリスト教の中国化」(社会主義の思想に則したキリスト教)の取り組みが一層強化され、中国共産党は外国人キリスト教徒を、この取り組みを邪魔する者とみなしています。そのため、習近平は外国人宣教師をすべて排除することを政策の1つに盛り込んでいると、付け加えました。
この教会の信者は、新しい中国宗教事務条例が2018年2月1日に施行されて以来、宣教師の琳娜さんが属する日本の教会は、中国共産党が宗教弾圧を一層厳格化していることに気付き、中国にいる教会のすべての宣教師に避難するように伝えたと教えてくれました。琳娜さんの姉である愛敏(アイミン)さんとその夫である高翔(ガオ・シアン)さんも同時期に宣教師として中国に滞在していましたが、リンナさんの送還の知らせを聞いて、大同市から日本へ3月と4月に別々に帰国しました。台湾からの2人の宣教師も間もなくして中国から出国しました。琳娜さん夫妻、王月さん夫妻は中国にいるキリスト教徒を残して出国することを望んでいませんでしたが、最終的には共産党により強制送還され、今後5年間、中国への入国が禁止されました。