![](/wp-content/uploads/2018/07/Xi_Jinping.jpg)
中国政府の管理下にある三自教会でも、組織的な取り壊し運動から免れることはできません。江西省にある宝豊教会は安全ではないという不当な判断により取り壊されました。
習近平が国家主席となって以降、中国全土で数多くの教会が取り壊され、十字架が破壊されてきました。理論的には、中国政府の管理下にあるプロテスタント系の三自教会はこの組織的弾圧運動の対象外となっているべきですが、実際には、政府は様々な口実を使い、三自教会の信仰の場も攻撃しています。
例えば、政府に「ビルが老朽化している」と決めつけられ、2017年8月に取り壊された江西省宜春市の宝豊教会もそのような例の1つです。取り壊した後に教会を立て直すという約束は守られていません。
7月、宝豊教会は礼拝の最中に査察を受けました。査察官は、壁の一部に小さなヒビが複数あり、この建物は安全ではないと断言しました。それから1ヶ月も経たないうちに、県行政府と宝豊鎮政府の役人が教会を訪れ、その建物を取り壊すよう教区民自身が要請するよう説得しましたが、教区民は教会が最近建てられたばかりで、壁に2つ小さなヒビがあるぐらいで危険なはずがないと、拒否しました。これに対し、政府は宝豊教会を取り壊すという決定はすでに下されていると述べ、新たにビルを立て直すことを教区民に約束しました。
役人は信者が建物の取り壊し要請への署名を求め、何度も教会に戻ってきました。一部の教区民は自宅まで押しかけられ、要請書への署名を強要されました。教会管理者の夫は役所に行き、その妻と教会建設に出資した寄付提供者の署名がなければ取り壊し要請は無効であると申し立てました。しかし、この法的にまっとうな主張も、教区民の抗議も全く聞き入れられませんでした。
8月2日、政府は、反対する教区民を制圧するために警察を配備し、教会の強制取り壊しを決行しました。目撃者によると、取り壊し業者が掘削機で教会の壁を壊そうとしても壊れなかったため、政府はクレーンと牽引車を用意しなければなりませんでした。その様子を見ていた現物人は、「この建物がそんなに老朽化しているならば、なぜ、取り壊すのがこんなに困難なのだろうか」と疑問に思いました。一週間後、頑丈だった教会建物は、更地になりました。
それから約1年が経ちましたが、教会を立て直すという約束については政府から一切連絡がありません。一部の教区民が市役所に苦情を言いに行くと、「教会は信者からの書面での要請に基づき取り壊されたもので、政府主導によるものではない。従って、政府が新しく教会を立て直す義務はない」という回答が返ってきました。
宝豊教会の建設は福建省のあるクリスチャンにより出資されたものでした。彼はこのプロジェクトのために40万元以上を投じ、教会は2012年に完成しました。敷地面積100平方メートル以上あるこの教会には、取り壊される前、40名以上のクリスチャンが神を崇拝するために頻繁に教会を訪れていました。
出典:中国からの直接の報道